妊婦のお葬式参列には、地域によりさまざまな迷信や風習があり、代表的なものが「お腹に鏡を入れる」というものです。
なぜお腹に鏡を入れてお葬式に参列するのか、鏡を入れないとどうなるのか、くわしく解説します。
妊娠中に葬儀に参列する場合、迷信の意味を理解すると安心できるでしょう。
妊婦がお葬式でお腹に鏡を入れなかったら?

妊婦がお葬式に参列するときに、お腹に鏡を入れる風習があります。鏡を入れないと、お腹の赤ちゃんに何か影響があるのか、不安になります。
お腹に鏡を入れないとどうなるのか、くわしく見ていきましょう。
迷信なので入れなくても赤ちゃんに影響はない
妊婦がお葬式に参列するときは、お腹に鏡を入れるという言い伝えがありますが、迷信なので、入れなくても赤ちゃんに影響はありません。
このような迷信ができたのは、妊婦にお葬式に参列してもらいたくないからではないかと思われるかもしれませんが、そうではないのです。
しかし、実際には妊婦の体調を心配して、出席できないことを妊婦が気にしなくて済むための迷信とされています。
入れる場合は赤い布や腹帯で外向きに固定する
お腹に鏡を入れる場合、コンパクトな手鏡などポケットサイズのものを使いましょう。鏡として映る面を外側に向け、赤い布や腹帯を使って固定します。
なぜ赤い布を使うのか、疑問に思う人も多いでしょう。赤い布には鏡と同じように、災いなどの邪気を跳ね返す力があり、お腹に悪霊が入らないと言い伝えられているためです。
災いから胎児を守るために、赤い布で鏡を固定する風習が現在も行われています。
親族や地域によっては入れる方が無難
妊婦がお腹に鏡をいれないと災いがあるというのは迷信のため、入れなくても問題ありません。現在では鏡を入れなかったからといって、トラブルになるケースは稀です。
しかし、親族が気にする場合や、地域によっては長く大切にされている慣習となっていることもあります。
迷信だから鏡を入れる必要はない、と拒否するのではなく、大切にされている思いを尊重して、鏡を入れるのが人間関係をスムーズにするためにも無難です。
妊婦と葬式の迷信は鏡以外にもある

妊婦のお葬式参列に関する迷信は、鏡だけではありません。ほかにどのような迷信があるのか、有名なものを紹介します。
妊婦が葬式に行くと故人の生まれ変わりが生まれる
妊婦がお葬式に参列すると、故人の生まれ変わりとなって誕生するという迷信があります。これは、亡くなったあとは別の命で生まれ変わるという、日本ならではの価値観によるものです。
生まれ変わりの迷信は、輪廻転生の考えによるものと、故人を新しく生まれてくる命と重ねて遺族の悲しみを癒すという説があります。
妊婦が火葬場に行くと赤ちゃんに痣ができる
赤ちゃんに痣(あざ)ができるというのも、有名な迷信の一つです。妊婦が火葬場に行くことと、赤ちゃんに痣ができることは関係がありません。
また、痣とは別に、赤ちゃんが故人に連れて行かれるという迷信もあります。
どちらも科学的な根拠がなく、妊娠中にムリをして体調を崩すなど、妊婦に負担をかけないための言い伝えです。
いずれも医学的根拠はなく迷信に過ぎない
さまざまな迷信があり、このほかにもその場所だけに伝わる迷信がある地域もあるでしょう。
しかし、いずれも医学的・科学的な根拠がありません。妊婦の体調がすぐれないときに、周囲を気にしてムリに参加するのを防ぐために言い伝えられているのです。
妊婦が葬式に参列する場合の注意点

妊婦がお葬式に参列するときには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
妊娠中のお葬式における注意点を解説します。
参列は体調優先で判断する
妊婦が葬儀に参列するときは、何よりも体調を優先してください。最近の葬儀は自宅でなく、葬儀場で行うのが一般的で、ロビーや控室などにソファやイスが設置されているので、気兼ねなく休憩できるため、参加しやすくなっています。
葬儀場なら空調も整い、冬の寒さや夏の暑さもあまり心配する必要がないかもしれません。
しかし、妊娠中はホルモンバランスの影響で、疲れやすかったり体温管理が難しかったりするものです。途中で何か起きれば、遺族に迷惑がかかるので、体調に不安があるときは参列を控えましょう。
遺族に妊娠している旨を伝える
妊婦がお葬式に参列する場合、遺族には妊娠していることを伝えましょう。地域によっては、妊婦が参列できないため、断られることも考えられます。
妊娠初期は、妊娠していると言わなければわからないため、黙って参列する方法もありますが、何かあったときに迷惑がかかるので、伝えておくのが望ましいです。
妊婦が葬式に参列するときの服装や持ち物

お葬式での妊婦の服装や、持ち物について解説します。葬儀への参列を決めると、次は服装や持ち物をどうすればよいか迷いそうです。お腹が大きくて持っている喪服が入らない場合の服装も解説します。
ここで紹介する服装や持ち物は、葬儀に限らず、お通夜や法事などにも共通しているので、参考にしてください。
お腹周りにゆとりのあるブラックフォーマル
妊婦用のブラックフォーマルがあるので、どうしても喪服の着用が必要な場合は妊婦用を購入しましょう。
しかし、一般的なブラックフォーマルでも、お腹周りにゆとりがあるデザインのものも多いので、まずは手持ちのブラックフォーマルを着られるかどうか確認してみてください。
妊娠初期のお腹が目立たない時期なら、持っているブラックフォーマルを問題なく着用できるでしょう。
着れない場合は黒い服やレンタルで代用
手持ちの喪服が着られない場合には、妊婦用のブラックフォーマルをレンタルする方法もありますが、費用や手間がかかるため、黒い服で代用できます。
妊婦がブラックフォーマルではなく黒い服で参列していても、妊婦の服装に対して厳しく気にする人はいないでしょう。
黒い服を着用する場合は、光沢がない素材で、華美な装飾がないデザインのものを選ぶと、マナー違反にならないので安心です。
冬場は防寒を徹底する
冬のお葬式では、防寒が重要です。葬儀会場は暖房で温かくても、火葬場への移動などで冷えることが考えられます。妊婦は身体が冷えると体調を崩しやすくなるため、圧手のタイツを履いたり、重ね着をしたり、防寒対策を徹底しましょう。
お葬式のマナーでは黒いストッキングを着用し、タイツはNGとされていますが、妊婦がタイツを履くことは問題ありません。
近年では、妊婦以外でも気候や体調にあわせて、タイツがマナー違反といわれなくなってきています。冬は、体調を第一に考えて防寒しましょう。
靴は安定感のあるものを選ぶ
お葬式の参列でも、妊婦は安定感のある靴を履きましょう。ヒールが高い靴は、転倒のリスクがあるだけでなく、腰が痛くなるなど身体に負担がかかり、体調を崩す原因になりかねません。
靴も服と同じように、光沢がある素材や華美な装飾があるものは避け、黒でシンプルなデザインのものを選びましょう。
また、ムリにパンプスを履く必要はなく、黒い色であればスニーカーでも問題ありません。
マスクで感染対策も忘れずに
妊婦は免疫力が下がっているため、感染症にも注意が必要で、マスクを着用しましょう。
感染症は妊婦でなくても気をつけなければならないですが、特に妊娠中は薬の服用が難しいため、特に注意が必要です。
マスクは、葬儀だと黒いものを使用する人が多いですが、一般的な白いマスクでもマナー違反ではありません。
マスク以外にも手洗いをしっかりするなど、人が多く集まる葬儀会場では普段以上に気をつけてください。
食べつわりがあるならおやつや飲み物を持参する
食べつわりがある場合、ちょっとしたおやつや飲み物などを準備しておくのがおすすめです。食べつわりがなくても、低血糖の防止に役立つため、持参しておくとよいでしょう。
葬儀中に目立たないように食べても問題ないか、葬儀場のスタッフへの確認が必要です。
食べてよい場合でも、周囲の目が気になる場合は、葬儀会場から出てロビーや控室などで食べるのが安心です。
妊婦が葬式に参列しない場合のマナーや注意点

妊娠中のお葬式は、ムリに参列する必要はないですが、参列しない場合のマナーや気をつけなければならない注意点を解説します。
参列できなくて「不義理」だと思われないためにも、ぜひ参考にしてください。
臨月の場合は欠席する
臨月は葬儀中や、自宅から会場への行き帰りの途中で産気づく可能性もあり、欠席するのがマナーです。
地域によっては、妊婦を参列させないところもあり、欠席したからといって不義理だとは思われません。
むしろ、参列して産気づいたり体調を崩したりするほうが、周囲に心配や迷惑をかけるため、臨月でなくてもムリをしないようにしましょう。
電話で欠席の連絡をする
欠席を決めたときには、電話で連絡をしましょう。お通夜や葬儀は欠席の連絡が不要なのですが、本来参列するべき親しい間柄の場合は、不義理だと思われないように連絡をします。
連絡の方法は電話が望ましいですが、電話をするのが難しい場合は、メールやLINEなどでも問題ありません。
欠席を伝える際には、お悔やみの言葉を添えるのを忘れないようにしましょう。
弔電や供花を贈る
妊娠のため葬儀に出席できない場合、弔電や供花を贈ると弔意を表せます。
弔電は郵便局のほか、インターネットでも受け付けているので、自宅から簡単に贈ることが可能です。
供花は葬儀会社や花屋さんに依頼しますが、突然贈るのは迷惑になることもあるため、事前に遺族に相談するとよいでしょう。
現金書留で香典を郵送する
香典は本来、葬儀会場の受付で渡すものですが、葬儀を欠席するなら現金書留で郵送します。必ず現金書留を使うのがマナーなので、封筒で送らないよう注意してください。
郵送する場所は、故人の自宅でも葬儀会場でもどちらでも構わないですが、葬儀会場の場合は葬儀の日よりも後の到着にならないように注意が必要です。また、家族葬の場合には、葬儀会場ではなく自宅に送ります。
金額は葬儀会場で渡すのと同じで、親族は1万円から10万円ほど、仕事関係や友人・知人の場合は、5,000円から1万円ほどが相場です。
香典を郵送する場合、一筆箋などにお悔やみの言葉を入れると、気持ちが伝わります。
後日弔問する
葬儀に参列できなかった場合、後日自宅を弔問して、故人とお別れをしましょう。臨月が近ければ、弔問は出産後がよいです。
一般的なマナーでは、弔問は四十九日までに行います。しかし、臨月など出産を控えた妊婦の場合は、四十九日を過ぎてからでも問題ありません。
突然の訪問は迷惑になることもあり、必ず事前に連絡し、都合を確認してから弔問を行ってください。
妊婦が葬式に鏡を入れなかったことでよくある質問

妊婦が迷信として言い伝えがある、お葬式の参列でお腹に鏡を入れなかった場合によく聞かれる質問を紹介します。
無理をせず体調を第一に参列しよう
妊婦がお葬式で鏡を入れない場合にどうなるのか、迷信の意味や、安心して参列できる対処法を解説しました。
古くから伝わる迷信には、現代には合わないものも多く、気にせずに参列する人も増えています。
しかし、気になる場合や、周囲に気にする人がいる場合は、鏡を入れて参列するのがおすすめです。無理をせず、体調を第一に考えましょう。
