旦那さんの親戚の訃報に接したとき「どこまで告別式や通夜に参列すべき？」と迷う人は多いですよね。

配偶者の家族関係は微妙な距離感があり、判断に悩む場面も少なくありません。

この記事では、旦那さんの親戚の葬式への参列範囲の目安から、やむを得ず欠席する場合の誠意ある対応方法、さらに参列する際に押さえておきたいマナーまで、わかりやすくお伝えします。

旦那の親戚の葬式はどこまで参列するべき？

夫側の親戚のお葬式は、どこまで参列すべきか判断に迷う人が多いものです。

血縁関係や義理のつながりだけでなく、故人との関係や付き合いの深さ、義父母の意向も影響します。

ここでは、一般的な親等の範囲をもとに、嫁としてどこまで参加するのが適切かを解説します。

一般的には3親等以内　

葬式の参列範囲に明確なルールはありませんが、一般的に3親等以内が目安とされています。民法第725条によると、親族と定義されるのは「6親等内の血族、配偶者、および3親等内の姻族」です。

つまり夫側の、両親・祖父母・兄弟姉妹・おじおば（叔父叔母）などが、親族関係として認識されます。

ただし、葬儀の慣習は地域や家の方針によって異なります。たとえば家族葬や親族葬の場合は、3親等内でも案内を受けないケースもあります。参列前に、旦那さんや義父母・喪主へ確認するのが無難です。

参照：厚生労働省｜6親等内の血族

故人との関係の深さ

親等が近くても、故人との関係性が薄ければ、無理に参列する必要はありません。たとえば「同居していた義祖母」など日常的な交流があった場合は、積極的に参列するのが望ましいです。

一方、遠方や田舎などに住んでおり、ほとんど面識がなかった叔父叔母・従兄弟姉妹の葬儀なら、香典や供花を送るだけでも十分な弔意を示せます。

大切なのは、形式よりも「故人や遺族への思いやり」です。無理に出席するより、できる範囲で誠実な対応を心がけましょう。

旦那や義父母の意向

葬儀参列を判断するうえで最も重要なのが、旦那さんや義父母の意向です。特に義実家が同居または近距離にある場合、地域のしきたりや親族間の関係性を考慮して判断されることが少なくありません。

たとえば義父母が「親戚づきあいを大切にする」家庭なら、3親等以降の親族でも参列を求められることがあります。

反対に「形式よりも気持ちを重視する」家庭では、供物・電報での弔意を伝えるだけで十分という場合もあるでしょう。

迷ったら、旦那さんを通じて義父母や喪主に相談することです。夫婦で一緒に考えをすり合わせておくと、あとから誤解を招かずにすみます。

親等ごとの葬儀参列の判断目安

葬儀に参列する際、親等ごとの基準が大切です。親等の範囲を理解し、関係の深さや遺族の意向に基づいて判断しましょう。

今回は、1〜4親等ごとの参列基準を具体的に解説します。

1～2親等は参列が基本

1親等と2親等の親族は、葬儀への参列が基本的に求められます。1親等には、父母や息子・娘が該当し、配偶者側の葬式では義理の親（義母・義父）も対象です。

2親等には、兄弟姉妹や孫、祖父母などが該当します。この範囲の親族は関係性が深く、家族としてのつながりが強いため、葬儀には通常参列するのが一般的です。

したがって、1〜2親等内であれば、地域や家族の方針にかかわらず参列するのが一般的なマナーとされています。

3親等は可能な限り参列

3親等にあたる親族には、おじおば（叔父叔母）やおいめい（甥姪）が含まれます。この範囲の親族の葬儀には、関係性の深さに応じて参列を判断します。

もし親しかった親族が亡くなった場合は、義理の親族（義理のおじおば）でも参列するケースが多いです。一方、遠方に住んでいたり「主人との結婚以来顔も知らない」など交流が少ない場合は参列を迷うこともあるでしょう。

それでも、3親等内の親族の葬儀には、身内としての弔意を示すためにできるだけ参列することが望まれます。もし参列が難しい場合は、供花やお悔やみの言葉で気持ちを伝えても問題ありません。

4親等以降の遠縁の姻族は遺族の意向次第

4親等の親族は、主にいとこ（従兄弟姉妹）、兄弟姉妹の孫にあたる「てっそん」（姪孫）などが対象となります。4親等以降の遠縁の親族や姻族は、一般的に深い交流がないことが多いため、参列する必要性は低いとされます。

ただし、家族葬や親族葬の場合など、遺族が参列を希望するケースもあります。この場合、遺族の意向に沿って参列するかどうかを判断するのが適切です。

参列しない場合でも、香典や供花で気持ちを表すのが一般的です。遺族の費用負担を軽減するためにも、できる範囲での対応を心がけましょう。

旦那の親戚の葬式でも参列しなくてもよい場合がある

葬儀は気持ちが大切ですが、状況によっては参列を控える判断も必要です。ここでは、参列が難しいときに無理をせず、誠意を伝えるための判断基準を紹介します。

葬儀会場が遠方

葬儀会場が自宅から遠い場合、無理に参列しなくても失礼にはなりません。特に遠方で交通の便が悪い場合、移動だけで半日以上かかることもあります。

葬儀の日程が急な場合や、宿泊を伴う移動になると、仕事や家庭への影響も少なくありません。こうしたときは「香典を郵送する」「供花を手配する」など、別の形で弔意を示す方法が適切です。

故人との関係性や、遺族への思いやりを忘れず、無理のない範囲で気持ちを伝えましょう。

小さい子どもがいる

乳幼児や小さい子連れでの参列は、辞退しても問題ありません。

葬儀中に泣き声が響いたり、長時間の拘束で子どもがぐずったりすると、遺族や参列者に気を遣わせてしまうこともあります。また、葬儀会場には長時間静かに座っていられない子も多く、親にとっても大きな負担になるでしょう。

こうした場合は、旦那さんのみが参列し、本人は自宅で弔電や香典を託す方法が一般的です。子どもの体調や年齢を考慮して判断し、2人で参列できなくても、家族として誠実な形で弔意を表すことが大切です。

妊娠中または体調を崩している　

妊娠中や体調が優れないときも、無理して参列する必要はありません。

妊婦にとって長時間の移動や立ちっぱなしは負担が大きく、体調を崩すおそれもあります。また、体調不良の場合は、かえって周囲に気遣いをさせてしまいかねません。

そのような場合は、持参するつもりであった香典や電報を託すだけでも十分に弔意を示せます。

大切なのは、参列の有無よりも「心から故人を偲ぶ気持ち」です。健康を優先し、無理のない範囲で誠意を伝えましょう。

外せない用事がある

どうしても外せない仕事や、結婚式などの冠婚葬祭と予定が重なった場合、欠席しても非常識ではありません。社会人であれば、急な出張や業務の都合で葬儀への参列が難しいこともあります。

また、子どもの学校行事や家庭の事情など、やむを得ないケースも考えられるでしょう。そうした場合は、旦那さんや義父母を通して事情を丁寧に伝えることが大切です。

参列できない代わりに、香典・供花・お悔やみの電報などで心を伝えれば問題ありません。相手への敬意を忘れず、できる範囲で誠実に対応する姿勢が求められます。

旦那の親戚の葬式に参列できない場合のマナー

葬儀に出席できないときは、欠席の連絡と弔意の伝え方が大切です。体調不良や遠方など事情があっても、丁寧な対応をすれば問題ありません。

ここでは、参列できない場合に失礼にならないマナーと、誠意を伝える方法を紹介します。

お悔やみの電報を送る

葬儀に参列できない場合は、お悔やみの電報を送るのが一般的です。
文面には「ご冥福をお祈りいたします」など、故人を偲ぶ言葉を簡潔に添えます。忌み言葉（「たびたび」「また」などの重ね言葉）は避け、丁寧な表現を心がけましょう。

電報は、葬儀の前日までに届くよう手配するのが理想です。最近は、インターネットから申込みが可能なサービスも増えています。

参列できないからこそ、気持ちのこもったメッセージで遺族へ誠意を伝えることが大切です。

供花・供物を送る

参列できない場合でも、供花や供物を贈ることで弔意を表せます。
供花を送る際は、白を基調とした花を選ぶのが無難です。花の種類や本数には地域のしきたりがあるため、事前に喪主や葬儀社へ確認すると安心でしょう。

また、果物や線香などの供物を贈る場合は、宗教や宗派に合った品を選ぶことが大切です。

金額の相場は5千〜3万円ほどが一般的。供花の立て札には「○○家一同」など、送り主がわかるように記載します。形式よりも、心を込めた対応を意識しましょう。

旦那や義父母に事情を伝えてもらう

葬儀を欠席する際は、旦那さんや義父母を通じて事情を伝えるのが適切です。自分から直接伝えると誤解を招くこともあるため、親族間の関係をよく知る旦那さんにお願いするとスムーズです。

その際「体調がすぐれない」「子どもが小さい」など、正直で誠実な理由を簡潔に伝えるのが望ましいでしょう。

また、欠席する場合でも、香典や供花を通して気持ちを示せば、遺族にも誠意が伝わります。夫婦で事前に話し合い、義父母にも了承を得ておくと、親族間の行き違いを防げます。

旦那の親戚の葬式に参列する場合のマナー

葬儀に参列する際は、服装や持ち物、言葉遣いなど細やかな配慮が求められます。身だしなみや振る舞い方ひとつで印象が変わるため、慎みをもった行動が大切です。

ここでは、親族として振る舞うべき基本マナーと、事前に確認しておきたいポイントを解説します。

服装・持ち物

葬儀では、男性女性ともに喪服が基本です。女性は光沢のない黒のワンピースやパンツスーツを着用し、アクセサリーは真珠のみが無難といえます。

持ち物は、黒のハンカチや数珠、香典袋、袱紗（ふくさ）を準備しましょう。香典の相場は関係性によって異なり、義両親が5〜10万円、義兄弟姉妹が3〜5万円、叔父叔母やいとこが1〜3万円程度が目安です。

地域によって差があるため、事前に旦那さんや義母へ相談すると安心です。

忌み言葉やお焼香の作法は事前に確認

葬儀では、場にふさわしい言葉遣いと作法を意識することが大切です。
「重ね重ね」「また」「たびたび」などの忌み言葉は避けましょう。

お焼香の作法は、宗派によって異なります。回数や姿勢などが違うため、事前に旦那さんや義父母へ確認しておくと安心です。

不安がある場合は、周囲の参列者の動きを見てから行うのも失礼にあたりません。落ち着いた態度で立ち振る舞うことが、最も大切なマナーです。

旦那の親戚の葬式で嫁としてやることは？

葬儀では、嫁としての立場で周囲を気遣う行動が求められます。

状況に応じてやるべきことは、主に下記の通りです。

受付やお茶出し

葬儀では、受付やお茶出しを任されることがあります。嫁として手伝う場合、控えめながらも丁寧な対応を心がけましょう。

受付では、香典を受け取ったら両手で受け、深く一礼します。会釈だけで済ませず、感謝の気持ちを伝えるのが基本です。

お茶出しでは、湯のみの持ち方やお盆の扱いにも注意しましょう。湯のみは相手の正面に文字が向くように置くと丁寧な印象になります。

ただし、葬儀会場によってはスタッフが対応する場合もあるため、無理に出しゃばらず義母や喪主の指示に従うのが賢明です。

親族への挨拶

葬儀の場では、初めて会う親戚に挨拶する機会も少なくありません。まずは遺族や喪主に対して一言お悔やみを述べるのが礼儀です。

たとえば「このたびはご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます」と丁寧に伝えましょう。他の親族に対しても「いつもお世話になっております」「このような場でお会いして残念です」といった穏やかな言葉が適しています。

言葉遣いだけでなく、静かな声のトーンと落ち着いた姿勢を意識しましょう。嫁として、誠実で温かみのある態度が信頼につながります。　

子どもの相手

小さな子どもがいる場合、葬儀中に静かに過ごせるような配慮も、嫁としての大切な役割です。子どもがぐずったときは、一度席を外して落ち着かせるなど、周囲に迷惑をかけない工夫をしましょう。

また、会場によってはキッズスペースや控室を用意していることもあります。事前に確認しておくと安心です。

子どもに「静かにしようね」「ご先祖さまにありがとうを言おうね」と優しく声をかけ、故人を敬う気持ちを教える機会にもなります。

旦那さんと協力して役割を分担し、家族として落ち着いた態度で参列することが大切です。

旦那の親戚の葬式でよくある質問

葬儀に関するマナーは、家庭や地域によって違いがあり、判断に迷う場面も多いものです。

ここでは、香典の書き方や参列範囲、法要の出席回数など、嫁の立場でよくある疑問をまとめました。あらかじめ知っておくことで、慌てずに行動できます。

故人や遺族への思いやりを大切に

旦那さんの親戚の葬式は、親等や関係性によって参列範囲が変わります。無理をせず、故人や遺族への思いやりを大切にしましょう。

参列できないときは、電報や供花で誠意を伝える方法もあります。嫁としての気配りや礼儀を意識すれば、どんな場面でも心のこもった対応ができるでしょう。

迷ったときは旦那さんや義父母に相談し、家族で方針を確認しておくと安心です。どんな形であれ、誠実な姿勢が最も大切です。